あっちでもこっちでも、「税金を納めるには青色申告の方が断然お得!」
と言われていますが、逆に白色申告にはメリットは1つもないのでしょうか?
それを考えるためには、青色申告のデメリットを見てみましょう。
青色申告は税金が安くなるとはいえ、帳簿をつけたりする作業は煩雑なのも事実。
実際に作成しなければならない帳簿は、
「仕訳帳」、「総勘定元帳」、「棚卸表」、「貸借対照表」、「損益計算書」等、
多岐に渡ります。
また、これたの帳簿は9年間保存する必要があります。
つまり逆に言えば、白色申告最大のメリットは、
なんといっても面倒じゃないことです。
それは、帳簿をつける必要がないから。
ただし、白色申告者でも課税所得が年300万円を超える場合には、
帳簿をつける義務が発生します。
とはいっても、所得が300万円ですから、売上げが300万円とは違います。
個人事業主の経費率は一般的に6、7割ですから、
だいたい売上げが1000万円あって、ようやく所得が300万円になります。
売上の規模が1000万円以下とまだ小さく、経理処理にあまり手が回らない、
それより本業に時間を割きたいという人には、白色申告の方が向いているといえます。
白色申告のもう一つの大きなメリットは、書類の数が少ないという点です。
青色申告の場合は、青色申告承認申請書などを事前に税務署に提出しなければいけません。
ですが、白色申告はには必要な書類はありませんので、
とにかく税金に時間をかけている暇のない人には、白色申告が向いていると言えるでしょう。
白色申告に向いている人
・帳簿をつけるのが面倒な人
・課税所得が年300万円以下の人
・給与所得しかない人で、医療費控除や住宅ローン控除を申告する人
・副業が事業レベルではない人
・ワンルームマンション投資をしていて、数が10室未満の人
もちろん、白色申告はデメリットもあります。
例えば、青色申告で税金を納めるだけで受けられる、
最大65万円の控除が受けられないという点があります。
ですが、これは税率10%の人であれば、6万5千円に過ぎません。
この額が多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれですが、
たとえ青色申告するために税理士を頼んでいるのであれば、
これぐらいの金額は軽く吹き飛んでしまいます。
他にも、赤字繰越も白色申告ではできないこともデメリットの1つと言えます。
ただ、赤字が繰り越せるとはいっても、個人事業主で2,3年も赤字が続いていれば、
まず持ちこたえることができずに倒産してしまうでしょう。
ですから、人によってはこの赤字の繰越も大きなメリットとは言えないでしょう。
また、帳簿が必要ないため、資金の管理があいまいになりがちです。
場合によっては、税務署が納税者の所得を推計して課税されることもあります。
この場合は、書類に不備があれば、高額な課税をされても反論できません。