個人事業主も法人と同様に
貸倒引当金を計上することができます。
事業所得を生ずるべき事業を営む青色申告者で、
その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの
貸金の貸倒れによる損失の見込額として、
年末における貸金の帳簿価格の
合計額の5.5パーセント以下の金額を
貸倒引当金に繰り入れたときは、
その金額が税務上の必要経費として認められます。
ただし、金融業の場合には3.3パーセントになります。
これを一括評価を言います。
なお、貸金のうち、貸倒れその他
これに類する一定の事由による損失の見込額については、
それぞれの事由に応じた限度額までを、
貸倒引当金勘定に繰り入れることができ、
これを個別評価と言いますが、
その際に必要経費に算入された金額の基礎となった貸金は
一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。
一定の金額がキャッシュアウトを伴わない経費にできるのですから、
引当金の計上は減価償却費の計上と同様に
帳簿上で行える節税になります。
引当金を計上するのは任意であって、
赤字の場合には税務上は計上する意味がありませんので、
計上しない個人事業主もいますが、
本来的には計上するべきものであって、
銀行などは引当不足として事業の評価において
マイナスの見方をする場合もあります。
一定額を引き当てることによって、経費の平準化も図られますので、
実際に貸倒れが発生した際に、その引当金を取り崩すことで
大きな帳簿上の損失発生を防ぐこともできます。