プライベートな旅行を取材旅行だとして経費に計上する人は多いでしょうが、
そういう言い訳は税務署の人たちも聞き飽きていると思うので、
証拠を用意する必要があります。
仕事の旅行なので、調査レポートなどを作っておいたほうがいいでしょう。
とはいえ、完全に仕事オンリーの出張にする必要はありません。
旅行のスケジュールの中で事業に関する情報収集だとか、
仕事関係者との打ち合わせ等を組み込めばいいのです。
例えば、ネットで商品を販売している事業の場合、
インドネシアに行って、
「何かネットで販売できる商品がないかどうかを調査しに行った」
ということにすればいいのです。
工場見学に行った場合であれば、その工場の内部の写真を撮って、
何のために訪問したのかが分かるようにしておきましょう。
また、工場の人と名刺交換をして、実際に行ったという証拠を作っておくことも大切です。
簡単に言えば、視察旅行に行くということです。
視察旅行とは、会社の業務の参考になるものを見るための旅行のこと。
市場調査を名目にすれば、ありとあらゆる旅行が視察旅行になる可能性があります。
注意したいダブルパンチ
旅費交通費を使うにあたって注意したいのは、やはり「税務署の目」です。
税務署で旅費交通費が認められないと、
会社が社長に対して賞与を支給したものとみなされ、
当然、その分は経費として計上できなくなります。
さらに、社長個人は、賞与をもらったことには違いありませんので、
給与所得に関する源泉所得税が発生してしまいます。
このように、会社の法人税と源泉所得税の2つが課税されるため、
これを税理士の間では「ダブルパンチ」と呼ばれているそうです。
旅費交通費を使うには、しっかりと準備が必要ということ。
くれぐれも注意してください。