企業に勤務している場合には、
ビジネスマンの常識として事実上着用を義務付けられているスーツや、
事務作業を行っている場合には、もはや生活必需品となった
メガネなどを購入する必要があります。
そのため、現在のビジネスマンにとっては、
スーツやメガネに要する費用については必要不可欠であるということができます。
もっとも、この場合には、企業に勤務している場合の契約形態によって、
経費として算入されるか否かということが異なります。
以下、この点について説明いたします。
まず、企業に対して雇用契約を締結して勤務している場合には、
そこから得られる金銭については、所得税法上給与所得として分類されることになります。
この場合には、その所得の算定方法については、必要経費を観念しないことから、
この場合に要する費用を支払った場合であっても、
所得税法における所得金額の算定について影響を与えることはありません。
この点につき、最高裁判所判例によっても、必要経費に算入されないことについて
何ら憲法に違反しないという判断がなされています。
そのため、雇用契約において勤務されている方は、
スーツやメガネを購入した金銭については、必要経費とすることができません。
これに対して、委任契約として締結している場合には、所得税法上、
事業所得に分類されることから、スーツやメガネの費用については
所得税法上の必要経費として算入し、所得を減額することができます。