事業所や店舗、仕事場などの賃貸料は、
当然のことながら全額を事業の経費とすることができます。
さらに、事業所や店舗、仕事場などが自宅以外にあっても、
自宅でも仕事をすることがあるのなら、自宅家賃も経費に入れることができます。
自営業者やフリーランサーの人は、自宅に持ち帰って仕事をすることも多いでしょう。
事務的な雑用などを自宅ですることもあるでしょうし、
ネットなどで仕事の情報収集することも多いでしょう。
少しでも自宅で仕事をしているのであれば、自宅家賃も当然、経費として計上できます。
だいたい2~3割程度なら大丈夫と考えておきましょう。
社宅を有効活用する
さらに、会社が法人化している場合は、自宅を業務用に全く使っていない場合でも、
自宅家賃の5割程度を必要経費に計上することだってできます。
その方法とは、「自宅の借主を、会社名義にする」というものです。
つまり、会社名義の賃貸(社宅)に、役員が住むという形にすればいいわけです。
最近は社宅を所有するとなると、ある程度の資金が必要となるため、
会社が住宅を借りて、それを従業員に貸すという社宅が増えてきています。
会社が社宅を所有した場合には、
建物の減価償却費や固定資産税、不動産取得税、登録免許税、印紙代といった、
個人では認められない様々な費用を
会社の経費として落とすことが可能になります。
ただ、会社に保証金や礼金などの負担がかかってくることには注意が必要です。
また、社宅とはいっても会社が社員の家賃の全額を払うことはいけません。
全額を支払ってしまえば、社員のメリットが大きすぎるため、
それは給料とみなされてしまうのです。
目安としては、社員が家賃の約15%を払っていれば、給料扱いにはなりません。
この制度は社員だけでなく役員にも使えます。
ただし、役員の場合は、家賃のだいたい30%は自分で払う必要があります。
ちなみにこの方法は、単なる家賃の補助ではいけません。
あくまで会社が社宅を用意して、そこに社員が住むという形にする必要があります。
また、家賃として従業員からもらったお金に関しては、会社の利益に計上することとなります。
短期前払費用を使って家賃を前払い
家賃や保険料を前払いすることで、大きく損金計上することができます。
それが、短期前払費用税制です。
家賃や保険料など、来期1年分の費用を年払いで一括支払いし、
今期に損金計上できるというものです。
例えば、事務所の家賃が20万円だった場合、
240万円が損金になりますので、その節税効果はとても高く、即効性もあります。
税法では、一定の要件を満たせば、「短期前払費用」が認められています。
その用件とは、
・決算日までに支払を済ませておくこと
・支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものであること
・継続経理すること
ですから、今期から新しく事務所を借りることになった場合、
契約で1年分の家賃を前払いすることになっていれば、
全額を支払った日に経費として一括計上できるわけです。
ただし、年払いをする場合は、2年目以降も同様の支払いを行う必要があります。
ですから、利益がでたら年払い、そうでなければ月払いと
都合よく支払うことはできなくなってしまいます。
また、この方法を利用すると転居が難しくなるというデメリットがあることも覚えておいてください。
短期前払費用税制の対象となっているのは、
家賃、土地代、保険料、リース料、税理士の顧問料等です。
当初の加入時期を、決算日を考えて決めておくといいでしょう。
多額の利益が出た年は、短期前払費用税制を使うことで、
大きく利益を減らすことが可能になるのです。
さらに、前払いすることによって、保険料やリース料が安くなるというメリットもあります。
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