私は以前、税務署の個人課税部門に配属され、
個人事業主に対する税務調査を行っていました。
ですので、今回は私の経験を踏まえ個人事業主の方へ
税務調査に対する心構えや対策等を記載したいと思います。
その中でも税理士を通していない、
個人で確定申告をされている方用に話を進めていきたいと思います。
税務署は事業主の方へ本当に突然、税務調査をしたいという電話を架けてきます。
どのような基準で調査対象を選んでいるのか気になる方が多くいらっしゃるのですが、
それに対しては、いくら元職員としても法律違反に触れてしまう可能性があるため、
伏せさせていただきます。
税務署から突然、電話が架かってくるということは、
当然、事業主の方は不安な気持ちになると思います。
確定申告に何か間違いがあったのか・・
など夜も寝れなくなってしまうという方も私が対応した方には何人もいらっしゃいました。
まず、電話が架かってきてからの一連の流れを説明しようと思います。
①日程調整
・これはだいたいまず、税務署の職員が電話を架けてから1週間程度の間で自宅、
もしくは事業所へ行かせてもらいたいとの依頼をします。
事業主の方は自分の都合と職員の都合が合う日程を調整する必要があります。
②調査に対する説明
・日程調整が終了したら、なにの税目を調査するのか説明があります。
事業をされている方なら基本的に、
「所得税」、「消費税」の調査をしたいという風に説明があると思います。
③用意しておくもの
・税務職員は必ず、調査当日までに元帳や各帳簿の用意をするように説明してきます。
なにならよくわからない難しい言葉を使って説明してきますが、
基本的に確定申告の際に提出した、決算書や申告書を作成するにあたって
使用したものすべて用意しておけば問題はありません。
この際、膨大な書類になる方もいらっしゃると思いますので、
ある程度、書類をまとめておくことをお勧めします。
④調査当日
・調査当日は基本的に1名の職員が自宅か事業所に行かせていただくことになります。
若手職員が対応する調査であれば、先輩や上司が一緒に臨場することもあります。
まず、世間話から始まって事業内容や帳簿の記載方法、保存方法を聞かれると思いますので、
特にやましいことがなければ、素直に回答するのがベターだと思います。
職員からの質問に対して、本来と異なる回答等をしていると最終的にバレた際に、
より多くの税金が課されることがありますのでご注意ください。
調査の時間は半日から一日はかかると考えておいてください。
最終的に記載している一部の書類を署内に持ち帰らせてくれ
という風に職員から言われることになると思いますので、これも素直に渡しましょう。
⑤調査終了後
・調査が終了すると職員は署内にて預かってきた書類の検討と、
調査の際に本人から聞いた内容に矛盾点やおかしな点がないかの確認を行うことになります。
これについても例えば、申告している内容に大きな階差があれば、
職員側としても慎重に検討しますし、特に問題がなければ
そのまますんなり申告内容に誤りはなかったということで調査を終了することもあります。
調査当日から申告内容に特に問題がなければ、
1週間から2週間程度で再び職員から電話が架かってきて、
特に問題ありませんでしたので、調査を終了しますというような説明をされます。
またその際、書類の返却について説明もあると思います。
⑥申告内容に誤りがあった場合
・書類と本人からの話から検討した結果、申告内容に誤りがあった場合、
職員から修正申告をするように説明があります。
その際に職員が修正申告書を基本的に作成してくれるはずですので、
職員からの誤りの説明に納得できたら、修正申告書を税務署へ提出しましょう。
その際、税額の説明と納付書も渡されますので、早めに納付することをお勧めします。
大きな税額の誤りがあった場合、納付を長い間放置しておくと、
この税額に対して本来正しく提出すべきはずだった期限から換算して
延滞税も加算されることもあります。
その際もきちんとした説明がありますので、きちんと納得できるまで説明を受けましょう。
⑦まとめ
・やはり税務職員に対して恐怖心や猜疑心を持たれている方もいらっしゃると思いますが、
職員も調査に対しては誠実に対応してくれますし、
きちんと質問された内容に対しては誠実に答えるのが一番の対策だと言えます。
もし仮に税務署から突然電話が架かってきても、
落ち着いて正直に事業内容の説明や記帳の方法を答えましょう。