ある意味で節税だが、あんまり使う機会がない方がいい所得控除の話。
風水害、地震、盗難などで家財に損害を受けた場合、
一般的には加入している損害保険でカバーされるかどうかを検討する。
家財の損害が損害保険の保険金の範囲を超えている場合、
当該損害額から10万円を差し引いた額を雑損控除として控除できる可能性がある。
個人的な経験であるが、雑損控除を使った経験をシェアしたい。
連日の猛暑日が続く夏の日に、我が家には愛犬がいるため、
昼間私がいない時にでもエアコンで冷房をしていた。
エアコンの真下には私が安月給からコツコツためた貯金で購入した趣味のオーディオ機器があった。
暑い夏にも関わらず、残業続きで帰ったら寝るだけの生活が1週間続いた。
やっと週末になり、テレビを見ようとリモコンのスイッチをん入れても反応がない。
そして、趣味のオーディオ機器とその隣の本棚が水に濡れていた。
もしやと思ってエアコンを見上げると、冷気の吹き出し口に水滴がついていた。
ここ数日の間、ずっと、ぽつりぽつりとエアコンから水滴がたれ続けていたのだ。
翌日すぐに自宅アパートの不動産管理会社に連絡したところ、
すぐに入居時に加入した火災保険が火災だけでなく家財の損害も対象にしていることを教えてくれた。
保険金を請求するため、本棚の本はアマゾンで、趣味のオーディオ機器はECサイトで価格情報を集めた。
加えて、オーディオ機器はメーカーに修理の見積もりを取った。
結論は、修理するなら買ったほうが安いというもの。
一方、頼みの綱の保険も安い保険のためか免責金が高い。
コツコツ貯めて買った音が出ないオーディオ機を見つめてため息をついた。
不動産管理会社にエアコンの修理のお願いを電話ですると、電話口でゴソゴソ話をしているのが聞こえた。
偶然不動産管理会社にいた税理士の先生が雑損控除の可能性を教えてくれた。
自慢ではないが年収はそこそこあったので、雑損控除を取り確定申告をすることにした。
3月15日は有給休暇を取り、税務署で税理士の先生に聞きながら、申告書を書いた。
保険請求のために作っていた資料がとっても役に立った。
雑損控除はあまり効果は大きくない。
なぜなら、損害額のうち保険でカバーされた部分を差し引き、さらに10万円を控除しなければならないからだ。
しかし、少しばかりの手間をかける価値はある。
還付される金額は所得税の税率によるが、
4月の忘れた頃に振り込まれる還付金にはサラリーマンであれは感動するに違いない。